今後、新しい板を購入した際には、必ずやる!と言い切れる商品です。
ご覧になる際は、欲しくなりますのでご注意を。(笑)
Phantomとは
一度の施工で永久のパフォーマンが得られ、環境にも優しい。
いいじゃないですか!
残念ながら日本語のホームページがないので、本国のホームページのリンクを貼っておきます。
Phantomを導入するメリットは3つあります。
ホームページにも掲載されているのですが、簡単にまとめておきます。
施工は1度のみ
普段からホットワックスを塗っている人だけでなく、簡易ワックスで滑っている人にも嬉しい、一度きり。
通常のワックスがソールの表面にくっついているのに対して、Phantomは板に浸透します。
そのため、滑走によってワックスが剥げることがありません。
また、浸透しているのでサンディングをかけてもOKです。
1つの板にホットワックスをかけると、なんだかんだで30分以上はかかりますので、時間の節約を考えただけでも施工する価値あります。
多くの状態の雪で一定の滑走性能がある
雪の状態に合わせて施工したホットワックスが最強です。
ですが、1日のうちで時間の経過とともに雪の状態は変化します。
Phantomは多くの状態の雪で一定の滑走性能を発揮します。
※ホームページから引用
イメージは上の図のようになります。
環境に優しい
これも地味に嬉しい事実。
ホットワックスをスクレーピングしたり、ブラッシングで出たワックスの”カス”って掃除が大変なだけでなく、環境にもよくありません。
環境を守り、素晴らしいスノーライフを守るためにも最高のコンセプトです。
それに、もちろん体にも良くありません。
硬化したPhantomは体への悪影響がない、とホームページにもしっかりと記載されています。
施工方法は2通り
施工するにあたっては2通りです。
- 自分でやる
- お店にやってもらう
Phantomの施工には紫外線が必要です。
そのため、天候によっては作業できない可能性があります。
その点、お店でやってもらうと、紫外線を当てる機器を使用するので天候に左右されずに施工することができます。
デメリットとしては、1台あたり2万円くらいかかってしまうことです。(高い…)
今回は新調した2台の板への施工を考えていました。
普通に購入しても13,000円くらいするので、時間と手間を考えて4万だったらありか?と最初はお願いすることを考えていたのですが、コッソリ「1つのPhantomで2台分イケますよ」と教えてもらったので、お金の節約のために自分でやることにしました。
施工してみての感想ですが、普段からホットワックスを掛けている方であれば、何の問題もなく施工できると思いました。
箱の中身
内容物はこんな感じです。
- A,B2種類の液体が2袋ずつ
- 液体を伸ばすパッド
- 保護用の手袋が3セット
- コルク&ブラシ
- 説明書
- ステッカー
液体を伸ばすパッドは、ゴムではなく、吸水しない、硬めのスポンジといったところです。
コルクとブラシについては正直、質が良くなく、ブラシは普段使っているガリウムの物を使いました。
手袋は保護用のもので、装着するとピタッとしていて水分を通さないものです。
施工順序
施工方法についての記事は多くあるのですが、どうも人によってやり方が違います。
管理人はホームページに掲載されていた施工方法でやっています。
こちらのPDFを解説しながら説明していきます。
同封されていた説明書のやり方とは違ってました(笑)
Step0:施工を始める前に
- パートA、パートBともに最低1時間以上日光に当てる必要がある
- 外気温は0度以上、天候は晴れ
- 室内の作業場所と屋外の場所を確保する
パートAとBは別日でも構わないのですが、ある程度施工する日は考えないといけないです。
管理人は別日に施工しています。
- パートA:最高気温8℃、曇り時々晴れ
- パートB:最高気温13℃、晴れ
パートAの日はパラパラと雨が降る場面もありました。
Step1:ソールをきれいにする
サンディングがベストのようです。
特にワックスをかけたことのある板であればサンディングは必ずやりましょう。
管理人は新品の板でしたので、ブロンズブラシでブラッシングしました。
汚れは普通のクリーナーで十分です。
管理人はガリウムのブロンズブラシとクリーナーを使用しました。
Step2:パートAを塗る
- 室内温度は18℃~30℃
- 1袋でスキー片方、スノーボードは2袋(ですがスキー2台分やりました)
- 開封前に袋を揉み、混ぜる
- 液体が床に垂れないように、フラット部分に垂らす
- 附属のパッドで図のようにクルクルと回しながら伸ばす
Phantomを塗る前に日差しでスキーのソールを温めておくとベストです。
管理人は下の写真のように、床暖で温めました(笑)
実際の様子
パートAの袋をよく揉みます。
液体をソールに垂らします。
付属のパッドでクルクルと伸ばします。
Step3:浸透
- 直射日光の当たらない、平らな場所で15分間放置
- ペーパータオルで強めに拭き取る
実際の様子
液体を伸ばし終わって放置中。この間にもう1台に液体を塗布していきました。
Step4:紫外線に当てて硬化させる
- 直射日光の当たる場所で最低1時間
- 完全に乾くまで放置、乾くと白くなる
- 完全に乾かなければ、ペーパータオルで拭き取り、完全に乾くまで待つ
30分程度で天候が悪くなってしまった場合は、ペーパータオルで拭き取り、温かい室内で24時間放置でもOK。
少なくとも最初の20分間は水平に置き、その後は角度を付けて直射日光に当てる。
ペーパータオルでのふき取りは甘かったと思います。
もっとしっかり拭き取っても良かったです。
実際の様子
外で日光に当てている様子。
2台同時並べました。
パートAの時は、太陽が出ている時間は短く、時折パラパラと雨も降りだしたので軒下で様子見ました。
太陽が出ると、直射日光は十分当たっていました。
30分くらい経つと、硬化してくるのが分かります。
雨粒が分かりますね…
1時間経つと、結構白くなりました。
日光があまり出なかったこともあり、2時間弱太陽光に当てました。
が、結局は完全に乾きませんでした…
マニュアルにもある通り、温かい屋内へ移し、24時間以上放置しました。
Step5:ブラッシング
完全に乾いてから次に進みましょう。乾いていなければ進んではいけません!
- 粒子の飛散を防ぐため、アイウェアとマスクを着用
- ナイロンロトブラシがベストですが、 ハンドナイロン(または馬毛)ブラシでもOK
- 元々のソールの色になるまで、トップからテールに向かって勢いよくブラッシング
- 目に見える白く硬化したファントムがなくなるまでブラッシング
- ソール全体に水をスプレー、 マイクロファイバーで拭き取って乾かせる
最後の水のスプレーは同封されていた説明書にはありませんでした。
本当か?と疑問に思いながらもやりました。
実際の様子
ナイロンブラシでブラッシングします。
削りカスが細かいので、推奨されているようにマスクしたほうがいいです。
疑問に思いながらスプレーで水をかけました。
マイクロファイバーで拭き取ります。
ブラッシング+水スプレー+マイクロファイバーでの施工前後比較
ソールを近くで見ると、ホットワックス施工後のようなツヤ感はありません。
乾いている感じなので、正直、これでいいの?と疑問でなりませんでした。
Step6:パートBをAと同様のステップでやる
パートBについてもAと同様のステップで施工します。
施工方法はAとBでの違いはありません。
実際の様子
パートBも同様に行います。
液体を垂らして伸ばすと、Aとは少し違い、ソールが液体を弾いているように見えます。
パートBは別日の最高気温13℃の日の午前中、気温5℃くらいの状況で施工しました。
朝から晴れており、1時間半程度の日光で完全に硬化し、乾きました。
硬化した感じも、何となくAとは違いました。
Step7:仕上げ
- もう一度ソール全体に水をスプレー、付属のファイバーパッド(付属されていなかった)で磨く
- 強く圧力を加えて、ハンドブラシと同じように磨く
- 磨き終わると黒いソールの場合はマットブラックになる
ホットワックスに慣れていると、本当にワックスが掛かっているのか?と思うほどツヤがありません。
ファイバーパッドが付属されていなかったので、ガリウムのファイバーテックスで磨きました。
トップシートやサイドウォールにPhantomが付着していたらペーパータオルで拭き取ります。
消毒用のアルコールを使用して拭き取っても良いそうです。
施工後のソール
かなりツヤのあるように見えますが、実際はサラサラと乾いていて、軽くツヤのある程度です。
Step8:施工、使用の注意
- ベースが良好な状態に保たれている限り、滑走性能が保たれる
- 実際には、定期的なメンテナンスが必要
- ソールが乾いた/白くなったときは、付属のパッド(付属されていない)ケバ除去を行う
- ソールの損傷や、ひどく摩耗した場合は、サンディングを推奨
- 春の汚れも滑走性能に影響するため、ベースクリーナーで拭き取り、ナイロンブラシ、パッドで磨く
メーカーによると、普通のパラフィンワックスやフッ素ワックスを上から塗っても大丈夫とのことです。
施工終了
その他の注意点
- 硬化する場合を除いて、PHANTOMで直接紫外線に当てない
- 保護手袋を使用して、皮膚との接触を避ける
- PHANTOMを摂取すると有害なので、こぼれたものは片付けて、子供やペットに触れないようにする
- ブラッシング中は保護メガネとマスクを着用する
- 換気の良い場所で施工する
- 春の終わりから夏にかけてが最適な時期
液体の状態では有害ですので、施工は十分に注意しましょう。
滑走レビュー
今回、100 EightとRevolt 121に施工しました。
滑走した日の状況は以下の通り。
- ゲレンデは-3,4℃くらいでコース脇にスネパウが残っているような日
- 気温がプラスで軽く雨が降っている状況、山麓はストップスノー
- BCは気温がプラス、重めのモナカ雪
初代Phantomを施工した人から、「施工後すぐは全く滑らないので、最初はゲレンデで慣らしが必要」と聞いていたのでビビりながらの滑り出しでした。
実際は、施工後1回目の滑走から、”そこそこ”滑りました。
2.0に改良されてから変わったのか?施工方法が変わって大丈夫になったのか?は定かではありませんが、最初から滑れました。
また、滑走を重ねていくうちに、どんどん板が走るようになってきます。
滑ってみた感想としては、
ほとんどの状況で70点、ストップスノーは滑らない。
やっぱり、ストップスノーは滑りませんでした(笑)
その日に合わせたホットワックスをやるのが一番ですが、1度の施工で70点であれば、管理人は十分です。
滑走性能を示したイメージ図、そのままの体感でした。
滑っていて特に不満もなく、本当にいいものでした。
今後も板を新調した際は間違いなく施工することでしょう!
それではまた次回!
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